2007年04月03日

日本画の絵の具

日本画の絵の具は、水干、岩絵の具、顔彩などいろいろあります。
中でも水干の絵の具とは泥状のものを精製したものです。

指でつぶします。
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そして溶きます。
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ここからは余談ですが、
日頃、指に残る絵の具が気になります。
絵の具は体に良い物のではありません。
昔の人は筆を舐めて毛先を整えたため舌癌や喉頭癌になってしまう人がいたと聞いたことがあります。
手を洗っても爪の中に絵の具が残ってしまいます。
この様な状態でお米を研ぐのはすごく気になります。
最近こんな道具を目にしましたが、美しくないので買う気がおきませんでした。
せめて名前なんかを工夫して欲しいところです。

が、このような物に出会いました。
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なんと、お米は良く研げます。感激〜!
形もイイし!
相当話はずれてしまいましたが、特にキッチン回りは形の良いもので揃えたいですよね。

と、帰ろうとしたら同じ売り場で魯山人展開催中。
券があったこと思い出し拝見し帰宅しました。
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2007年02月04日

ヒマラヤの石

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オーピメントです。
油絵の具でも使われていましたが
非常に毒性が強くて今は使用禁止になっています。
なのになぜ持っているかと言うと
6年前、ネパールに行ったときに画家さんから分けてもらいました。
その画家さんはすべて天然の鉱物から絵の具を作っていました。
ヒマラヤのシェルパーがお小遣い稼ぎに下山するときに持ってくるらしいです。

赤はこの石です。
日本画では辰砂(しんしゃ)といいます。
ピンクっぽく見えるけど、乳鉢ですりつぶすと鮮やかな赤になります。
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ヒマラヤの石なんて、う〜〜ん。ロマンですよね。
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2007年01月25日

しつこくも ツブ膠

ツブ膠に関してこんな文章がありました。
http://www.babaken.co.jp/babaken_002.htm

>もし弊社に十分な資金力や人材があれば、生産設備を引き取って生産したいところですが、とてもそのような力はありません。それでも、もし何らかの方法で「パールにかわ」の生産再開が模索されるなら、微力ながら協力を惜しまないつもりです。

ううう、泣けます。
こんな方がこの日本にいてくれただけでも少し救われました。気持ちだけですが。
この馬場健商店さんだって何らかの余波は受けているはずなのに。。

それで「サン・オリエント化学株式会社」の負債総額はと言うと、20億円でした。(T-T)
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2007年01月24日

ツブ膠・レクイエム

ツブ膠がこの世の中から消えてしまって傷心しているのは私だけなのでしょうか?手持ちの粒膠がいとしくてしょうがありません。。。

ツブ膠さん。。。多方面でも活躍していたようです。楽器の接着剤として使われてきたとも聞いたことがあります。バイオリン製作や修正に使われていて、接着力が強力な上、何百年経っても熱と水分で容易に剥がすことが可能だとのこと。しかも透明度の高いツブ膠がよろしいとか。。

民芸でも伝統芸能でもたくさんの要素が絡み合って成り立っていることをつくづく感じます。それらを支えている大事な大事な職人さんは全員人間国宝にするべきです。もしくは日本画の巨匠の絵でも売って不当たり手形を埋めて欲しいです。美しい国はどこへ行っちゃうんでしょうね。。

100gたったの231円。今となってはもう少し上げても良かったのに。と思う。でも値上げしたらもっと売れなくなるかぁ。。。
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iPodと比べてみてください。

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2007年01月23日

日本画の危機!?粒にかわ消滅。

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1月11日に日記に「膠」の話をしたばかりですが
な、な、なんと「粒にかわ」が製造中止になりました。
と言うか、製造元が倒産しました。
しかも国内、いや世界中で、そこ一箇所でしか作られておりません。
この「粒にかわ」と言うものは、すごーーーく、すごーーーーく、優れもので、不純物が少なく透明度が高い膠です。もちろん天然絵の具の群青なんかを使う時は「粒にかわ」でなければ発色が鈍くなってしまいます。。。

数ある膠の中でも日本の技術(わざ)が結集された製品でした。
どうする。。日本画家たち。
一大事です。
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2007年01月17日

先月のデッサン会で「北口さんの使っている紙は何ですか?」とたずねられました。デッサンを描く紙はそこらの束になって売ってる西洋紙です。模造紙を切ったりして使うこともあります。安いので。それだけの理由です。

しかし、日本画の紙の話となると違います。話が深くなってしまいます。
主に和紙が主流で、楮・三椏・雁皮などを原料としてます。
よく使うのが、「麻紙」と「鳥の子」です。
画材屋でも売っているポピュラーなものです。
絵の具の吸い込みが違い 画面にそれぞれ味わいが出ます。

麻 紙・・・・麻を原料とし、楮を混ぜて漉いたもの
鳥の子紙・・・雁皮+楮(又は三椏※花の先が3つに分かれている。)

では日本画ではなぜ和紙を使うかと言うと、日本画の絵の具と膠との相性が良いからです。
パルプを使った西洋紙では和紙のような味わいは出ないからです。
西洋紙でも和紙でも水を打つと大きく紙が呼吸します。
まるで生きている動物のように伸びたり縮んだりします。
その呼吸の仕方も西洋紙と和紙では違います。
繊維の方向と原料が違いますから、
用途に合った使い方をすると絵を描く楽しみが倍増します。お試しあれ!
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2007年01月11日

膠(にかわ)

まずは展覧会のご案内です。

にかわ絵展
1月8日(月)〜13日(土)  
時計台ギャラリー

そもそも、膠(にかわ)って何?と思われる方もいることでしょう。
日本画の絵の具についてはすでに学習済みですね〜。鉱物を砕いた粉末でできています。
これを画面につけるには接着材が必要です。
それが膠なんです。
水彩でも油でも今やチューブに絵の具が入っているのが主流です。
チューブからピュ〜ッと出せばすぐ描けるでしょ。
あれはすでに接着剤が入っているからすぐ描けるんですね。

膠は動物の骨や皮を煮込んで作ります。
お魚を煮込むと煮こごりができますよね。あれですよ。美容に良いコラーゲン。
今回のにかわ絵展のハガキをご覧ください。
つぶつぶのが「つぶ膠」、四角いのが「鹿膠」です。
膠はそれぞれ接着の具合が違います。
日本画用語では「膠の強さ。」と言います。好みによって使い分けます。
他には一貫で三千本が取れると言ういわれを持つ「三千本」!
1本でも三千本といいます。3本でも三千本。(・_・)
海外でも膠は使われます。
ネパールの膠。板状で黒いです。非常に臭〜〜い。(>ω<)

◆追伸 時計台ギャラリーのリンクはりました。デッサン会の会場でもあります!よろしく。

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2006年12月25日

日本画って何?群青色

昨日は王者・瑠璃色をご紹介しました。
本日は群青色をお見せいたしましょう。

群青の原石は主にアズライトです。
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そして絵の具にすると。
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さすがに天然ものは発色がいいですね。
瑠璃と群青の色の違いも比べてみて下さいませ。
両方とも放光堂(京都)の絵の具です。
同じ原石でもそのつど石によっては色は微妙に変わります。
もちろん絵の具屋さんによっても変わります。
常に世界に1つしかない絵の具が出来上がります。神秘的〜。。
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2006年12月24日

新シリーズ「日本画って何?」始めます!

このブログは他にはちょっと無いカテゴリーの充実を目指しています!
そこで、NEWカテゴリー「日本画って何?」の登場です。
管理人@北口は日本画を描いているわけですが、よく画材について質問を受けます。絵の具についてのご説明、技法についてのご紹介をもったいぶらないで何でも公開いたします。
このブログをご覧になる皆さんの絵画制作のヒントになるかもしれませんね。

まずは、やはり「絵の具」でしょう!

中でも岩絵の具は王者級で鉱物を砕いたもの。つまり宝石であります。ただし天然ものが王者と呼ばれるもので、最近は人工的に作られた「新岩絵の具」と言う比較的安い絵の具が出回っています。

王者っ!!と言えば、やはりラピスラズリーでしょう!
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砕いて絵の具になったものはこちらです。
しかしこれはよく言う「群青」ではないよ。
「瑠璃」なんです。う〜ん日本語の響きがいいね〜。ご堪能のほどを。
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